By みっちゃん (BK Staff)
[体は食べたものでできている]
聞いたことがある方も、実感している方も、そうは感じないという方もいらっしゃるかと思います。私は髪の毛から足の指の先まで食べたものでできていると実感しているタイプです。
健康を保つために何を食べるかについてはたくさんの情報が溢れています。みなさんはどのように情報を選択されていますか?今回は私が12年ほど学んで実践している食養生の観点をご紹介したいと思います。まずは、よく聞かれる質問を挙げてみます。
「肉や魚を食べていいんですか?」
「砂糖を食べちゃダメなんですよね」
「無農薬の野菜がなかなか手に入らないがどうしたらいいの?」
どうもルールが必要で特別なことをするイメージがあるようですが、実際はシンプルです。かくいう私も10数年前は食事に全く無頓着なうえに、食事に制限を設けるなんて人生損してると考えていました。そんな私が体調を崩し出会ったのが食養生でした。食養生では私たちの身体は私たちが摂り入れる食物から作られると考えます。
「食物なきところに生命現象なし」
食べ物が命の源であり、食事を正すことは心身を正すことに繋がるということです。あらゆる生き物は、食べ物を摂ることで自分の命を養っています。
今回は基本となる食べ方4つをご紹介します。
①土地のもの、季節のものを食べる
②ご飯とおかずの割合はご飯を多く食べる
③一物全体で丸ごと食べる
④よく噛んで食べる
ご覧のように動物性食品を食べてはいけないとか、無農薬のものを食べるというルールはありません。難しくもありません。人類が長い間、どのように何を食べてきたかイメージするとわかりやすいかもしれません。
① 土地のもの、季節のものを食べる
旬のものを食べるのが一番です。自然は 、冬は体を暖め、夏は体を冷やす食べものを与えてくれます。
日本国内、世界各地からいらいろな作物が運ばれてきます。このようになったのはいつ頃からでしょうか。そんなに昔からではありませんよね。農水省のデータによると1970年代から輸入額が大きく増加したようです。スーパーに行けばいつでも何でも揃っているので、何が旬の野菜なのかわからない人たちも大勢います。その季節にその土地にできるものを食べることから外れ続けると、身体は本来の働きをするのが難しくなります。もちろん絶対にダメではありません。楽しみ喜びを感じながら食べるのはいいことです。しかし、いつどれくらい食べるか、普段の日とお祝いの日など日常と特別のバランスを考えながら、買物や献立をたてるときに思い出していただけたらと思います。
②ご飯とおかずの割合はご飯を多く食べる
主食は、その地方特産の穀物(米、麦、粟、そば、きびなど)をとることで、玄米が理想です。副食は、野菜、海草、小魚を主食の三分の 一くらい。これは人間の歯の割合が関係します。
歯の割合
臼歯:門歯:犬歯
= 20 : 8 : 4
= 5 : 2 : 1
臼歯(穀物をかみ砕き、すりつぶす歯)
門歯(野菜や果物をかみ切る歯)
犬歯(肉や魚をかみちぎる歯)
このバランスが崩れ続けると自律神経に影響します。自律神経の不調から病気は始まります。
③一物全体で丸ごと食べる
料理は皮を捨てず、アクぬき、ゆでこぼしせず一物全体をとるようにします。玄米と白米の違いは外側の糠があるかないかです。丸ごと一粒の玄米は土に蒔けば芽が出る生命力がありますが、白米は芽が出ません。お米は玄米の状態が最もバランスが取れています。人参や大根などの野菜も皮を剥かなくても美味しいですし、皮の部分を含めて人参であり、大根です。例えば、解明されている人参の成分をすべて集めても人参を生み出すことはできません。人参の不要と思われる皮の部分にもまだ人間には分析しきれない命に繋がる成分があるはずで、そこを捨ててしまうのはもったいないことです。
④よく噛んで食べる
①②③の中で最も重要なことです。一口目だけ100回噛んでみてくださいとリクエストすることがあります。皆さん決まって玄米が口の中からなくなったと言われます。
噛むことの効能は色々とありますが、1つは唾液です。この唾液は自分にしか出せないものです。実験によれば、唾液には不思議な力があり、有害物質は唾液の中に30秒つけておくと、大部分が無毒化されるそうです。30秒間噛むということは、六十回くらい噛むことになります。つまり、口に入れた飲物、食べ物はゆっくりと噛み30秒以上飲み込まないようにするとよいようです。まず手始めに一口目だけでもたくさん噛むことから始めると、続く二口目、三口目がいつもよりよく噛めます。
無農薬のものを食べることや、あれは食べてはいけない、これはいいと決めるよりもっと大切なことがこの4つのことだと教わっています。人は不完全なので出来ないこともたくさんあります。そんな中でも①~③がどうしても不可能でも④はできると考えてやってみる。この4つの大切なことを意識するように変えていく努力が健康を保つ秘訣となります。
よく学び実践して、自分の身体や心の反応を知っていくことで、今よりさらに有意義で楽しい毎日を過ごしたいですね。
《参考文献》
8. マクロビオティックの基本食/友井寛/健康道場
9. 玄米正食入門/正食出版
10. 穀菜食による食養療法/松岡四郎/正食出版
11. マクロビオティックほんまもんの健康法/松岡四郎/つげ書房新社
12. 食養料理指南/小川みち/正食出版
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