骨密度のTスコアや骨の健康(骨質)を示す脆弱性スコアの変化について簡単にご説明いたします。
TスコアとBMDを理解する
まず、Tスコアについて説明します。長期的に骨の健康状態を追跡する際には、Tスコアではなく、骨密度(BMD)の実際の数値に注目すべきです。Tスコアは、あなたのBMDを健康な30歳の白人女性のBMDと比較するための指標です。しかし、Tスコアは標準偏差を示すものであり、BMDの絶対値ではありません。経時的な骨密度の変化を追跡するには、BMD値をg/cm²単位で比較し、その変化を基準値や前回の測定値からのパーセンテージで表す必要があります。
BMDとTスコアに影響する因子
BMDとTスコアには、年齢、活動レベル、栄養、体格などさまざまな因子が影響します。閉経後の女性では、時間の経過とともにBMDとTスコアが自然に減少しますが、栄養バランスに注意し、負荷運動や抵抗運動を十分に行うことで、この減少を遅らせたり、逆転させたりすることが可能です。このような変化は通常ゆっくりと起こり、DEXA法では数年間検出できないことがあります。これは、最小有意変化率(LSC)が5~6%であり、わずかな差を測定するには感度が十分でないためです。REMS法はこのような変化をより正確に、年間単位で検出できます。体重やBMIの変動によるBMDの変化は、数ヶ月で検出できることが多く、REMS法ではこれをより迅速に捉えることができます。
計算例
例えば、2022年のBMDが0.983 g/cm²で、2024年には0.899 g/cm²だったとします。
BMDの変化を計算すると:
0.899 - 0.983 = -0.084
これは2年間でBMDが減少したことを示しています。
変化率を計算すると:
-0.084 ÷ 0.983 = -0.085
これはBMDが8.5%減少したことを示します。
DEXA法のLSCは一般的に5~6%ですので、これ以下の変化は必ずしも有意ではありません。REMS法のLSCは0.88~1.05%(股関節は0.88%、脊柱は1.05%)であり、より小さな変化をより迅速に検出できることを意味します。上記の例では、8.5%の変化はDEXA法とREMS法の両方で有意です。
脆弱性スコア(Fragility Score)の理解
脆弱性スコア(FS)は0から100までの範囲で、スコアが低いほど良好です。FSは骨の微細構造を反映します。REMS法のAIは、あなたの骨のスペクトルを参照データベースと比較します。あなたのスペクトルが骨折した人と一致すれば、スコアは赤色(RED)になります。骨折していない人と一致すれば、スコアは緑色(GREEN)になります。黄色(YELLOW)は、骨折した人と骨折していない人が混在していることを示します。
閉経後の女性では、年間1.5~2.0%の割合でFSが自然に増加します。LSCと予想される加齢による変化を考慮すると、3年間でFSが4~5%変化するのは正常かもしれません。
最後に
あなたはTスコアやFSスコア以上の存在であることを忘れないでください。これらのスコアを理解することで、自分自身に力を与え、安心感をもたらすことができます。知識は力です!
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